「百花デザイン」コレクションについて

いま、“アートがもたらす力”に注目が集まっています。
日常でアートと接点をもち、作り手の創造や背景に共振すると、新たな発想や美意識が生まれ、暮らしの質が向上していく――。アートには、生き方を豊かにする力があるといわれています。

榛原は文化3年(1806年)の創業以来、200余年にわたって「暮らしに様式美を提案する、ものづくり」を追求してきました。一流の画家や職人たちが築き上げた伝統美が現代の感性と融合し、軽やかでモダンに昇華した「百花デザイン」へ。
榛原が磨き上げたアートは、人々の日常をたおやかに彩ります。

目次

世界各国のミュージアムに認められた、
日本を代表するデザイン

榛原は、全国の良質な和紙と木版摺りなどの印刷技術を駆使し、意匠を凝らした商品を制作、販売しています。商品を彩るデザインは、柴田是真(しばたぜしん)、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)、竹久夢二(たけひさゆめじ)など、時代を代表する画家たちが手がけてきました。
文明開化期、榛原の千代紙や団扇絵は海を超え、精緻な美しさが多くの人に称賛されました。日本のデザインを代表する貴重な資料として、明治11年のパリ万国博覧会などで褒賞を授与され、現在もヴィクトリア&アルバート博物館やパリ装飾美術館など、世界各国のミュージアムに保存されています。

榛原千代紙(部分) 聚玉文庫所蔵
熨斗絵 聚玉文庫所蔵

時を重ねた“渋型紙”の美しい世界を、
現代につなぐ「百花デザイン」へ

榛原は、歴史的な資産価値をもつ「渋型紙」を数多く所有しています。日本の伝統的な技法である渋型紙は、和紙を5~6枚重ね、柿渋で貼り合わせた渋紙に、型彫師が精緻な文様を彫り上げたもの。「伊勢型紙」とも呼ばれます。
かつては「襖紙(ふすまがみ)」などを染めるために使われてきましたが、近年は生活様式の変化にともない、使われることが少なくなっています。

榛原がコレクションする渋型紙の図案には、四季折々の植物や生き物、幾何学文様など、繊細で表情豊かな美の世界が凝縮されています。また、図案の一つひとつには、幸福や繁栄、延命長寿、無病息災など、大切な願いがこめられています。
“日本の宝”ともいえる伝統のデザインを、次世代に継承し、人々の暮らしに取り入れてほしい。このような思いのもと、受け継いだ図案をベースに、新たなデザインアレンジを掛け合わせて誕生したのが、榛原オリジナルの「百花デザイン」です。

はいばらが歴史的資産として保有している渋型紙

伝統的な彩色技法が醸し出す、
ハッとするほどの色彩や心地よいゆらぎ

「百花デザイン」の大きな魅力は、図案の数の多さやバラエティーの豊かさ、そして、職人の手作業による、日本の伝統技術を駆使した彩色です。中でも、特殊技巧とされる「捺染摺(なっせんずり)」と「型染(かたぞめ)」という二つの手法にこだわっています。
職人が一つひとつ手作業で和紙に彩色した図案をデータ化しているため、繊細な線や色のゆらぎ、和紙のやさしい風合いなどをそのままお楽しみいただけます。

捺染摺(なっせんずり)
型染(かたぞめ)

デザインコレクション

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