蛇腹便箋 ~“現代版・巻紙”が書きたい気持ちを刺激する

蛇腹便箋

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蛇腹便箋ファンがふえています

「榛原さんの蛇腹便箋に出合ってから、手紙を書くのが好きになりました」。
最近、私の周りには、蛇腹便箋の愛好者がふえています。これまで何かを伝えるとき、電話かメールの二択だったのに、「手書きのよさを実感した」と、彼ら・彼女らは嬉しそうに語るのです。

かくいう私もその一人。文箱にストックしている榛原の蛇腹便箋が目に入るたび、「そろそろ季節のあいさつを送ろうか」「いただきもののお礼を書こう」と、ワクワクしながら万年筆を手にしています。

私は子どものころから、手紙を書くことが好きでした。文通相手は、転校した友人や近所に住む大学生のお姉さん、遠方にいる従妹など。机の引き出しには、勉強道具よりも、キャラクターのついた便箋や色とりどりの封筒が存在感を放っていました。

けれども、大人になるつれ、「きれいな字が書けない」「メールのほうが速攻で便利」「ポストに行くのがメンドウ」と、“書かない理由”を積み重ね、手紙を書く機会はどんどん減っていったのです。

そんなある日、クローゼットの掃除中に、懐かしいものを発見。高校時代、吹奏楽部の親友がくれた手紙です。『文化祭の演奏、緊張したけど今まででいちばんよかったね。みんなの拍手が忘れられない。私たちの最高の思い出だね』。紺色のペンで綴られた丸っこい文字が、あのころの親友の口調そのままに、現在の私に語りかけてきました。

手書きの文字を読むたびに、相手がそばにいるような気持ちに

数十年ぶりに、みずみずしい想いを受けとめながら、榛原の元支配人・星野さんの取材で伺った、「手書きの手紙を読むたびに、その人がそばにいるような気持ちになります」という言葉を思い出しました。

デジタル社会が到来し、簡単・便利で効率のよいアイテムがたくさん登場しているけれど、相手への想いをぎゅっと詰め、時代を超えて、書き手と読み手が心を寄せ合う「手紙」は、何にも代えがたいすばらしい文化です。

榛原の日本橋のお店を訪れ、初めて蛇腹便箋を手に取り、パラパラと広げたとき、思わず「うわっ、楽しい」と声に出してしまいました。どこまでも続く、遊びごころたっぷりの粋な便箋は、まさに「現代版・巻紙」。この便箋で、だれかに手紙を書いてみたい。相手を思い浮かべ、楽しんで手紙を書いていた子ども時代の気持ちが一気によみがえりました。

売れているには理由があった!
「書きやすさ」と「遊びごころ」をつめこんだ、4種の蛇腹便箋ラインナップ

――どれを買おうか迷ったら、まずはノーマルタイプを

榛原の蛇腹便箋には、いろいろな場面で使える、4種のタイプがあります。どれを買おうか迷ったら、まずは使い勝手ばつぐんのノーマルタイプがおすすめ。罫線だけのシンプルなタイプは、ちょっとしたメッセージを綴るのはもちろん、便利なメモ帳としても使えます。また、幕末から明治期に販売していた「榛原製絵巻紙」のデザインを復刻した、「花あそび」「瓢箪」「千鳥」などの柄入りタイプは、手書き文字とともに温かい心も届けてくれそうです。便箋だけの商品と、カバー&封筒がセットになったレターセットもあり、自分用だけでなく、贈り物にも喜ばれます。

――雑貨好きの心をくすぐる「ちいさい蛇腹便箋」

手のひらサイズの「ちいさい蛇腹便箋」は、マッチ箱のようなかわいらしいケースに、ぽち袋とセットで入っています。「松と藤」「六花」「波に鳥」など、レトロでポップなデザインが揃い、雑貨好きの心をくすぐります。ちょっとした手紙や伝言はもちろん、ミニカードのように使ってもよさそう。取材時にうかがった、榛原の女性スタッフさんのイチオシは「山みち」。大正期に竹久夢二が榛原のためにデザインした千代紙の図案をもとに作られた柄です。「縦書きにも横書きにも使いやすくて気に入っています」とおすすめポイントを教えていただきました。

――おしゃれなカードとしても使える「横書き蛇腹便箋」

「蛇腹便箋の大ファン。だから横書きタイプもほしい!」という、愛好家たちの熱烈な声にこたえて登場したのが、「横書き蛇腹便箋」です。これがなかなか画期的! まず、だれもが慣れている横書きスタイルなので、手書きに抵抗がある人でも、リラックスして書くことができます。また、縦書きのタイプよりも厚めの紙が使われているので、きちんと感のあるカード代わりにも使えるのもいいですね。それから、横書きタイプならではのロマンチックな絵柄もすてき。「勿忘草(わすれなぐさ)」や「唐草」、「雛菊」など、昔から愛されている文様や図案をもとにしたデザインは、書く人と読む人をやさしい気持ちにしてくれます。

――手紙専用の道具箱として活躍する「つづり箱 蛇腹便箋レターセット」

いざ手紙を書こうと思ったとき、便箋、封筒、筆記用具、切手などのアイテムをいろいろ用意するのって、メンドウですよね。そんなときは、榛原オリジナル千代紙柄の「つづり箱」に蛇腹便箋をセットした「つづり箱 蛇腹便箋レターセット」がぴったり。手紙専用の文箱として、お気に入りのペンや切手とともに収納しておけば、手紙を書きたいと思ったとき、すぐにメッセージを綴ることができます。ちなみに私は、万年筆や小さなシールを収納しています。便箋には、厚みのある上質な紙が使われているので、スーッと滑らかな書き心地を楽しめるのもいいですね。

選ぶ。書く。もらう。ぜんぶ楽しい、蛇腹便箋ワールドへ

すべての蛇腹便箋に共通する、愛好家たちのお気に入りポイントを2つ。それは、便箋の折り目にミシン目が入っているところと、罫線の幅が大きく、文字が書きやすいこと。
手紙の形式やルールにあまりとらわれず、そのときの気分で、短めに書いたり、長めに書いたり、余白にシールを貼ったり、ときにはイラストを添えてみたり、自由な発想でのびのびと使えるのが魅力。
書き終わったところで、ミシン目をピリピリッと切り取るときの、得も言われぬ爽快感を味わったら、あなたも蛇腹便箋ワールドの一員です。

日常のちょっとした心遣いを、自分らしく、カジュアルに届けたい。
蛇腹便箋は、あなたの“書きたい気持ち”を心地よくサポートしてくれる、頼れる相棒になるはずです。

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2022.11.15

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この記事を書いた人

小川 こころ

文筆家、ライター、文章講師。「文章スタジオ東京青猫ワークス」代表。

人やものが織りなす物語やかけがえのない瞬間を、ことばや文章で伝えることに情熱を注ぐ。手書きが好き、紙モノ大好き。新聞記者やコピーライターを経て現職。まなびのマーケット「ストアカ」にて4年連続アワード受賞。著書は『ゼロから始める文章教室 読み手に伝わる、気持ちを動かす』(ナツメ社)。

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