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リビングルーム兼オフィス。心地よく過ごせる空間にしたい
ニャアッ。ソファに寝そべっていた愛猫・まろんが、機嫌よさそうに鳴いています。
彼が陣取っているサンドベージュ色のソファは、先日、青山のインテリアショップで購入したもの。これまで使っていたソファを買い替えた目的は、リビングルームの模様替えです。
現在のマンションでの暮らしは、気づけば15年ほど。そろそろインテリアやレイアウトにマンネリを感じていました。また、個人事務所を経営しているため、自宅で仕事仲間やクライアントさんと打ち合わせをする機会も年々増えています。プライベートなリビングとしても、人が集まるオフィスとしても、もっと心地よく過ごせる空間にしたいと考え、一念発起して模様替えに着手したのです。
じつは、ソファとともに、もう一つ、新たに購入したものがありました。
それは、榛原の「百花デザイン アートパネル 菊唐草」です。これまでリビングには、国内や海外の美術展で手に入れたアートポスターを額装して飾っていたのですが、アートパネルなるものを購入したのは、今回が初めて。未知の世界に、ちょっとワクワクしてしまいます。

適度な厚みの立体的なアートが、インテリアのアクセントに
なぜ今回、私はアートパネルの購入を決意したのでしょう。
それは、インテリア系のメディアで編集を担当する友人から「壁にアートをディスプレイするなら、断然アートパネルがおすすめ」と聞いていたからです。
壁にディスプレイするアートといえば、絵画やポスター、写真などが思い浮かびますが、その多くは、平面的に額装されたもの。一方、アートパネルは、厚みのある立体的な板にアートが張り付けられており、空間に心地よいアクセントを生み出すことができます。
「インテリアの基本はね、部屋全体の統一感なの。壁の色や家具の雰囲気に溶け込むようなアートをディスプレイすると、圧倒的に居心地のよい空間になるのよ」。
そんな友人の言葉に、これまでのわが家のカオスなリビングには、“統一感”のカケラもなかったなぁ……と、ちょっと切ない気持ちに。
まぁとにかく、模様替え後の部屋の雰囲気に、もっとも相性が良さそうと思ったのが、「百花デザイン アートパネル 菊唐草」だったわけです。

ベテラン職人が伝統技術で和紙に彩⾊した図案を用いた「和」のアート
今回の模様替えのプロセスは、自分にとって、ものとの向き合い方を改めて考えるきっかけになりました。以前は「かわいい」「かっこいい」といった、表面的な視点でものを選びがちでしたが、最近はそれだけでなく、ものづくりの背景や、そこに関わる人、世界観なども含めて、愛おしいと感じるものを選ぶようになりました。
榛原の「百花デザイン アートパネル」は、たくさんの人の繋がりや丁寧な手仕事によってつくられた「和」のアートです。まず、職⼈が「捺染摺(なっせんずり)」や「型染(かたぞめ)」などの伝統技術で和紙に彩⾊した図案をデータ化して取り込みます。そのデータを富士フィルム直営のラボラトリーが特殊なマット加工を施した印画紙に再現し、繊細な線や色のゆらぎ、和紙のやさしい風合いがそのまま楽しめるよう、アートパネルに仕上げているそうです。
ちなみに、私が購入した「百花デザイン アートパネル 菊唐草」は、「捺染摺」で彩色された図案を使っています。色ごとに版を変え、一つひとつ色を重ねて染め上げていくため、色に厚みが出て、華やかな多色使いを表現できる彩色技法です。

洋室、会議室、病院、喫茶店。どんな部屋にも違和感なくなじみます
アートパネルをどんなふうにディスプレイしようか、と考えるのも楽しいもの。ディスプレイする枚数によって、部屋の印象はガラッと変わります。
たとえば、1枚のアートパネルを壁にディスプレイすると、部屋全体の一体感をリードするアイキャッチ的な存在になります。同じサイズのパネルを2~3枚、横一列に並べたり、上下に2枚ずつ並べたりすると、空間にリズムが生まれ、コレクションをディスプレイしているような非日常感も演出できます。
さて、リビングルーム兼オフィスとして、壁に1枚のアートパネルをディスプレイしたわが家。最近、部屋の用途によって、アートの表情が変わることに気がつきました。プライベートの時間には、ほっと安らぎをもたらす空間になり、オフィスとして過ごす際は、部屋全体がキリッと引き締まった表情になります。
たった1枚のアートを壁にディスプレイするだけで、いつもの見慣れた部屋が、心地いい、洗練された空間に。
「和」のアートながら、洋室や寝室、書斎など、どんな部屋にも違和感なく馴染むデザインも魅力的。今度は玄関用に「型染」の図案タイプを2枚揃えたいな、と計画中です。