このカレンダーがないと、お部屋が色あせる!
毎年、秋になると、実家にプレゼントしているものがあります。それは、「榛原千代紙カレンダー」の壁掛けタイプです。
「毎月の絵柄が、わが家に季節を運んでくれる」「このカレンダーがないと、リビングが一気に色あせる!」と断言する母。そのことば通り、全国に根強い「榛原千代紙カレンダー」ファンがいて、たくさん在庫を揃えていても、早々に売り切れになってしまうそう。
確かに、タダモノじゃなさそうなカレンダー。ここまで多くの人に愛されるには、何か理由があるはず……。
そこで、榛原のスタッフさんに伺いながら、「榛原千代紙カレンダー」の魅力を分析してみました。

明治期から伝わる「榛原千代紙画帖」から選んだデザイン
榛原のスタッフさんによると、
「表紙はもちろん、月ごとに使われている絵柄も、毎年テーマを変えて、季節感のある千代紙デザインを配しています」とのこと。
そう、「榛原千代紙カレンダー」の魅力その1は、四季折々の千代紙デザインが一年間を通して、暮らしに華やぎを運んでくれること、ですね。
千代紙のデザインは、明治期から榛原に伝わる「榛原千代紙画帖」から選んでおり、現代の暮らしに合うように、アレンジを加えているのだそう。
ちなみに2023年のカレンダーにこめられた、表紙のテーマは「四君子(しくんし)」。
「四君子」とは、古くから東洋画の画題として描かれていた「梅・菊・蘭・竹」の植物をあつめたものです。それぞれの植物には、こんな意味がこめられています。

【梅】厳寒に耐え百花にさきがけて芳香を放つ
【菊】邪気を払い長寿を助ける霊力を宿す
【蘭】深山幽谷で人知れず奥ゆかしく香る
【竹】寒風にも耐え瑞々しく真っ直ぐ伸びる
なるほど、それぞれが高潔な君子の風格を感じさせることから「四君子」と呼ばれるようになったのですね。
表紙に配された構図の意味について、スタッフさんに聞いてみました。
「全体の構図は、波形の曲線が連続するなかに膨らみと狭まりが交互にあらわれる“立涌文(たてわくもん)”のように見立てられており、その伝統文様を笹の葉でかたどることで、自然のしなやかな美しさを取り込み、ほかには見られない独創的な造形へと昇華させています」。
また、色彩やデザインのこだわりについて、こう語ってくださいました。
「とりどりの晴れやかな色彩と四君子のモチーフが“立涌文”のなかに次々と展開され、ひとつでも八重菊、一重菊、光琳文様の菊というように、菊尽くしの文様に仕立てられている、きわめて豪華な吉祥図案です」。
伝統的な文様や絵柄を取り入れつつ、現代のお部屋に合うようにアレンジされた図案は、和室はもちろん、洋室にもおすすめ。どんな部屋にも品よくフィットする、タイムレスなデザインです。

場所を選ばずに置ける、卓上タイプも人気
「榛原千代紙カレンダー」の魅力その2は、美しい芸術品のようなビジュアルながら、カレンダーとしての役割をしっかりと担っているところ、でしょうか。
千代紙デザインを配していますが、カレンダーの紙素材には、どんな筆記具でも書きこみがしやすい、良質な洋紙が使われています。
日付ごとの予定スペースを大きくとっているので、書きこみがしやすいし、目にも入りやすいのがいいですね。
また、「榛原千代紙カレンダー」には、壁掛けタイプだけでなく、コンパクトに使用できる卓上タイプも作られています。

卓上タイプのサイズは、タテ約150mm(台紙含む)×ヨコ180mm。書斎のデスクや玄関など、場所を選ばずに置くことができます。
スタッフさんによると、「最近は、壁掛けタイプと卓上タイプをセットで購入される方が多いですね」とのこと。
私の友人は、壁掛けタイプを自分用に購入し、卓上タイプを、海外で暮らす知人にプレゼントとして送っているそう。
カレンダーを通して、大切な人と、同じ季節や絵柄を共有しながら日々を過ごす…‥。こんな楽しみ方ができるのも、千代紙カレンダーの魅力ですね。
自宅で過ごす時間が多くなった今だからこそ、四季折々の美しい千代紙と共に、日々の暮らしをじっくりと味わってみてはいかがでしょう。