創業期以来、榛原は木版摺りで文様を施した便箋や金封を取り扱ってまいりました。
目に鮮やかな木版摺りの色彩は、今でも榛原商品の特徴の一つです。
この度は、木版摺りに纏わる手仕事の風景をご紹介いたします。
彫りと摺りの共同作業
木版摺り商品の製作過程に携わるのは、木版彫師と摺師という二人の職人です。
まず、木版彫師が榛原に伝わる図案を基に、版木を彫り上げます。
完成した版木は彫師の手元に届けられ、そこから一枚一枚和紙に文様を摺る作業が始まります。
彫師と摺師は同じ場所で仕事を行うわけではありませんが、版木を通じて対峙し、この二人の共同作業こそ、木版摺りの真髄と言えます。
繊細な手仕事
木版摺りは、一色につき、一枚の版木を使います。
そのため、多色摺りの便箋を作る場合は、色の数だけ手作業で図案を摺り重ねてゆくことになります。
版がずれないように0.1ミリ単位の調整を行いながら「見当付け」を行い、色むらが出ないようにバレンで和紙をこする圧力や顔料の量にも細やかに気を配って一摺り一摺り、商品を仕上げてゆきます。
木版摺りの色彩
「榛原の紅は寿ぎの色」と古くから言われてきたように、木版摺りの鮮やかな色彩は、人の心に晴れやかな喜びをもたらします。
時に、言葉以上に気持ちを伝える便箋や熨斗袋といった商品を取り扱うに当たり、榛原ではこれからも職人による手仕事の技術を凝らし、美を追求して参りたいと思います。