【夏を愛でる】夏山に登るあなたに、エールを送りたい。

四季の暮らしと榛原
2022.10.15

どんなに生活様式が変わっても変わらない習慣がある。
自分が使わなくなったものを誰かにゆずって、また活躍してもらいたい。
今はそのためのいろんなツールがあふれている。

近年活躍しているのはフリマの売買サービスだ。フリマアプリを駆使して、不用品や自宅保管品をお金に換える。自作の品でもいい。

物が欲しい人と手放したい人をつなげてくれるフリマアプリは便利だが、値段交渉など、ハラハラする場面もある。小学生の甥っ子は、流行りのゲームで使われる「マイバチ」を自作して、小遣い稼ぎ。今や誰もが起業家になれる時代だ。

梅雨の終わり、夏服への衣替えをするため、押入れを整理していると、旧式のナップザックがでてきた。以前はこれを背負って東京近郊の山々に登ったものだが、最近少し遠出をするようになったので、大型サイズのものに買い換えた。以来、この赤レンガ色のナップザックは1年間押入れに入ったままだった。

フリマアプリに、ナップザックの画像と説明文を掲載すると、さっそく問い合わせが入った。小柄な女性でも背負えるだろうか?と。サイズ感や使い勝手などを伝えると、嬉しいことに、すぐに購入を決意してくれた。

商品が5000円で売れたので、さっそく発送作業に入る。アルコール消毒した布で全体をふきあげ、白い不織布でくるんだ。このまま段ボール箱に入れよう、とした時、ふっと、購入してくれた人にお礼のメッセージを添えることを思いついた。

カードでは仰々しいが、ポストイットでは味気ない。
ふと、竹下夢二のキュウリ柄の一筆箋が目に留まった。

自分が愛用していたナップザックを背負って山を歩く人がいると想像するだけで、なんだか声援を送りたくなる。

このたびはご購入ありがとうございます
楽しい登山になりますように!

シンプルに言葉を添えた。
数日後、購入者から無事到着したとのメッセージ。

ナップザック気に入りました、楽しんできたいと思います

一期一会の匿名のやりとりだけれど、やっぱり丁寧に気持ちを伝えたい。
そうだ、マグカップを購入してくれたあの人にも一筆箋を添えてみよう。

応援や感謝の気持ちを届けたい時、榛原の一筆箋が背中を押してくれる。

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この記事を書いた人

水谷あかい

ライター。
旅行業を経て、大手半導体メーカーに15年勤務。2000年から台湾に一年半語学留学。27歳のとき東京外国語大学中国語科に編入。台湾、バリ島、スリランカなどの島に惹かれる。「旅行先のバリで習ったレゴンダンス(宮廷舞踊)で体育の単位を取りました!日本語教師の資格も持っています」現在エッセイ、コラムを執筆中。

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