【冬を愛でる】小さなパン屋の季節の手仕事『パンと一緒に届ける思い』-冬-

四季の暮らしと榛原
2022.12.15

目次

パン屋の冬は忙しい。

ハロウィンが終わると「クリスマス」、そして「お正月」がやってきます。
中でも、クリスマスの『シュトレン』はメインイベント。
それぞれのパン屋さんが、独自のシュトレンをつくり、「腕のみせどころ」と言っても過言ではありません。
最近は、「シュトレンの食べ比べ」のようなイベントもあり、ひそかなブームです。
小さなパン屋も、このブームに乗り遅れることなく、今年も準備がはじまりました。

そもそも「シュトレン」って?

シュトレンは、ドイツ発祥のクリスマスのお菓子のようなパン。12月に入ると、薄くカットしたシュトレンを、毎日一切れずつ食べながらクリスマスを待つのが、ドイツの風習です。

生地には洋酒に漬け込んだドライフルーツやマジパン(アーモンド餡)が入ります。しっかり焼き上げた後、澄ましバターをしみこませ、砂糖や粉糖でコーティングして完成です。

じつは、それぞれの材料には意味があること、ご存じですか?
マジパンはキリストさま、ドライフルーツたっぷりの生地はベッド、粉糖はマリアさまのお布団(おくるみ)。
“ベッドに横たわったキリストさまをマリアさまがやさしく包む”
シュトレンの断面(写真)を見て、イメージしてみてくださいね。

思いをこめるメッセージカード

数あるパン屋さんの中から小さなパン屋を選んで、わざわざお買い求めいただく。
その気持ちに応えたい思いがいつもあります。
特に、郵送するお客さまには、直接伝えることができないので、手書きのメッセージカードを必ず入れています。
箱を開けて、お客さまの目に最初にとまるメッセージカード。どんなに忙しくても、ひと言、思いをこめて書く。きっとこれも、小さなパン屋だからできることかもしれません。

今年は『和』を意識してみようと、みつけたのが榛原さんの「小さな蛇腹便箋」。
とても便利な便箋で、蛇腹の折ごとに簡単に切ることができます。
便箋の地模様がグリーンの松竹梅でお正月風ですが、工夫ひとつでクリスマス風に変身です。
クリスマスカラーの台紙に、蛇腹便箋を貼って、マスキングテープでリボン風に仕上げてできあがり。

シュトレンと一緒に届ける思い

日常のパンと違って、シュトレンは特別なパンです。
とっておきのひと切れになることを願いながら、こんな思いを込めてみました。

シュトレンを一切れ、丁寧にカットしてみる。
最初に、ふわっと鼻先にとどく甘い香り。
ひとくち口に入れた時、口の中に広がる芳醇な味。
きっと、至福の時になることでしょう。

ちょっと洋酒に酔ったみたいに、チカラを抜いてみませんか?
おいしい、たのしい、ひと時を。
メリークリスマス。

シュトレンと一緒に届きますように。

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この記事を書いた人

タバタユミ

パンと雑貨のお店Potluck*ct(ポットラック)パン焼きビト。
25年余り、企業の保健師として働いたあと、「いつかどこかでパン屋さん」という長年の夢をかなえました。前職の経験や薬膳を取り入れながら、日々パンを焼き、伝えたい思いを文章や声にのせて発信しています。黙々とつくることが好きで、編み物歴は20年。最近は、水彩色鉛筆にハマり、つくったパンを描いています。

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