【秋を愛でる】香りを聞く習慣

四季の暮らしと榛原
2022.09.13

日の出の時刻がだんだんと遅くなってくる秋。そんな朝の私のルーティーンは、短い時間でも窓を全開にして空気を入れ替えることと、お香を焚くこと。この2つは、私にとって浄化の意味を持つ。

在宅ワークになって、夜も遅い時間まで仕事ができるようになったことで、日付が変わっても、パソコンに向かっている時がたびたびある。遅くまで仕事をした翌日の部屋には、「これが間に合っていない」「あれも早くやらなきゃ」という、せかせかとした気持ちが残っている気がする。その空気を一度落ち着かせるために、窓を開けてお香を焚き、新しい1日をスタートするのだ。

このルーティーンで使うのが、和紙の老舗・榛原さんのお香「薫路」シリーズ。お香の老舗・松栄堂さんとのコラボ商品である。

お香はやっぱり匂いを直接確認したうえで購入したいから、ふだんネットで買うことはない。でも、榛原さんのオンラインショップで「薫路」を見つけた時、迷わず即購入した。その理由は、パッケージにとても惹かれたからだ。

「薫路」シリーズのパッケージには、そのお香に合う木版画図案が使われている。パッケージに描かれた絵柄を見るだけで、甘く華やかな香りがしそうとか、身体の中にずっしり響くような香りがしそうとか、香りを脳内イメージしてワクワクする。
お香が大好きな私でも、絵柄だけで選ぶことは一度もなかったので、“目で匂いを買うこと”にチャレンジしてみたくなったのだ。

初めて購入した「宵詩(よいのうた)」は、深くどっしりとした木の香りをイメージしていたが、実際の香りは、もう少し軽めで、色で言えばブルー。頭の中をスッキリとクリアにしてくれるものだった。
私のイメージとはちょっと違っていたけれど、お香の世界を広げてくれたような気がして、すぐにその香りのファンになった。

香りと言えば、アロマの方が手軽で身近かもしれないが、お香とアロマには、大きな違いがある。アロマは植物から香り成分を抽出する液体香料。お香は木(香木)から作り、原料そのものをすりつぶし煉り合せたもの。液体香料であるアロマは、瓶の蓋を開けただけで、その香りがふわっと広がるが、お香は火を通すことで深い香りを立たせることができるのだ。あとから知ったのだが、お香は最後の最後に、ずっしりと重く、いつまでも頭の中に余韻が残るような香りがするそうだ。

朝、数分の時間を作り、お香を焚くのは手間がかかる。でも、ゆらゆらと揺れる煙をみながら部屋に広がる香りを体全体で感じていると、頭の中に散乱していたものが整理されていく。そしていま、必要のないものは目の前からふと消えていき、焦らなくても大丈夫という言葉が、どこからともなく聞こえてくる。

『香りは嗅ぐものではなく聞くものだ』という言葉がある。
私にとってお香を焚く朝のルーティーンは、香りを通して自分の心の声を聞く大切な時間となっている。

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この記事を書いた人

葵レオラ

占い師。
約20年間ITの仕事に従事するも、まったく異業種である占い師へ転身。スピリチュアルは一切使用せず、論理的で具体的な鑑定で相談者が小さな一歩を踏み出せるようアドバイスしている。ONとOFFの切り替えのため、3年前から着始めた着物を着ることが、今一番の楽しみ。JADP認定上級心理カウンセラー・TCカラーセラピスト取得。

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