【夏を愛でる】小さなパン屋の季節の手仕事『パンと一緒に届ける思い』-夏-

四季の暮らしと榛原
2022.10.30

目次

パン屋の夏

パン屋の夏は厳しい。
お客さまの足が遠のく時期です。

どんなにパンが好きでも
夏の暑さに食欲はなくなり
同じ糖質仲間である、のど越しのよい麺類たちに、
人気を奪われてしまいます。

どうしたらお客さまにご来店いただけるのか…
そして、注文してもらえるのか…
小さなパン屋に限らず、パン業界の夏の悩みなのです。

そこで最近、よく目にするのは
「サマー●●」
「冷やし●●」
●●には、もちろんパンの名前が入ります。
見覚えありませんか?

いつものパンを夏っぽくアレンジしたり、
冷やすことでおいしく食べられる工夫をしたりする、
そんな傾向があります。

小さなパン屋も「工夫」して、厳しい夏を、“乗り切る”ではなくて、“楽しむ”ことにしました。「何ごとも楽しむ気持ちで!」これが、小さなパン屋のモットーでもあります。

クロワッサン オ ザマンド

「クロワッサン オ ザマンド」(ザマンドに省略します)というカロリーもお値段もリッチなパンがあります。
クロワッサンをシロップに漬け、アーモンドクリームを中に挟んで、さらに上からもアーモンドクリームをかけて焼き上げるパンです。
このザマンド、温めて食べる方が多いのですが、実は冷やしてもおいしいことを発見しました。冷やすとバターがキュっとしまった感じになって、この食感がたまらなくよいのです。
この夏も、「冷やしザマンド押しでいこう!」と、準備をすることにしました。

冷やしザマンドあります

メッセージカードとお店のPOPづくりに、「ちいさい蛇腹便箋」を使いました。
貝殻の地模様が夏らしくてかわいい。メッセージカードは、カタチをブック風にして、夏のマスキングテープで飾りました。

次にPOPづくり。
いつもは、使う大きさに合わせて、ミシン目で切っている蛇腹便箋。この使い勝手が好きなのですが、せっかくの蛇腹、これを生かせないかな…と考え、大胆にもこのまま使ってみることにしました。
蛇腹が上下にスイングする感じが可愛い「蛇腹POP」です。

蛇腹に書いた文字は……「冷やしザマンドあります」。
『冷やし中華あります』をイメージしてみましたが、わかりましたか?

100点のできとは言えませんが、手仕事の『味』として、お客様に興味をもって頂こう!笑って頂こう!と、結構気に入っています。

パンと一緒にとどける思い

昔は、パンを冷やして食べるなんて発想は、私の中にありませんでした。
それが、このパンを通して変わり、ザマンド以外にも、クリーム系のパンは冷やしてもおいしいことがわかりました。

じつは、一緒にお店を運営しているスタッフが発見して、教えてくれたのです。
「パンは温めるのも」と思い込んでいたので、半信半疑で試してみたのですが、「え?おいしい!」ほんとにびっくりしました。

この驚きを、お客さまにも味わって欲しい! そんな気持ちで届けます。
「だまされたと思って、試してみてください。
きっと、新しい夏のデザートに出会えるはずですよ。」

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この記事を書いた人

タバタユミ

パンと雑貨のお店Potluck*ct(ポットラック)パン焼きビト。
25年余り、企業の保健師として働いたあと、「いつかどこかでパン屋さん」という長年の夢をかなえました。前職の経験や薬膳を取り入れながら、日々パンを焼き、伝えたい思いを文章や声にのせて発信しています。黙々とつくることが好きで、編み物歴は20年。最近は、水彩色鉛筆にハマり、つくったパンを描いています。

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